「V2Hの導入に使える国の補助金があるらしいけど、いくらもらえるの?」「申請って難しそう…」そんな疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
結論からいうと、国のCEV補助金を使えばV2H充放電設備で最大65万円、EV購入で最大130万円の補助が受けられます。さらに、お住まいの市町村の補助金と併用できるケースがほとんどです。
この記事では、CEV補助金の補助額・申請手続き・見落としがちな注意点まで、V2H導入を検討中の方が「読み終わったら次に何をすればいいか」がわかるように整理しました。
V2H導入なら最大65万円!CEV補助金の補助額と対象機器
V2Hの導入を検討している方がまず知りたいのは「結局いくらもらえるのか」でしょう。補助額の内訳から確認していきます。
V2H向け補助金は「設備費」+「工事費」の2本立て

V2H充放電設備に対するCEV補助金は、設備費(機器本体)と工事費(設置工事)に分かれています。個人が自宅に設置する場合の上限額は以下のとおりです。
| 費目 | 補助率・上限額 |
|---|---|
| 設備費(機器本体) | 購入価格(税抜)× 1/2、上限50万円 |
| 工事費(設置工事) | 工事内容ごとに定額、上限15万円 |
| 合計 | 最大65万円 |
※上記は2025年度(令和6年度補正・令和7年度当初予算)の個人宅向けの金額です。令和8年度のV2H向けCEV補助金の詳細は正式発表次第、本記事を更新します。
50万円満額は出ないことが多い
設備費の補助額は「実際の購入価格(税抜)の1/2」で計算されますが、機器ごとに個別の上限額が設定されています。たとえばニチコンのプレミアムPlus(VCG-666CN7)の場合、補助上限は約40万円前後です。50万円の枠をフルに使える機器は限られるため、検討中の機器がいくら補助されるかを事前に確認しておきましょう。
機器ごとの補助額は、NeV(次世代自動車振興センター)の公式サイトで公開されている補助対象V2H充放電設備一覧で確認できます。
工事費の補助は「定額制」で上限15万円
工事費の補助は設備費と異なり、工事内容ごとに補助額が決まっている定額制です。分電盤の交換、ブレーカーの設置、基礎工事などにそれぞれ補助単価が設定されており、合算の上限は15万円です。
実際にいくら交付されるかは工事内容次第なので、施工業者に見積もりを依頼する際に「どの工事項目が補助対象になるか」を確認しておくと安心です。
V2Hの導入費用全体の相場感を知りたい方は、V2H導入にかかる費用の相場もあわせてご覧ください。
大前提:EVの保有(または発注済み)が必須
V2H向けのCEV補助金を申請するには、EVまたはPHEVを保有している、あるいは発注済みであることが条件です。車検証か注文書の提出が求められます。
「V2Hだけ先に設置して、車はあとで買おう」では補助金を受けられません。車の購入とV2Hの導入は並行して計画を進める必要があります。
補助率は年々縮小している
V2Hの補助率は年々下がる傾向にあります。2023年度までは機器価格の2/3が上限でしたが、2025年度は1/2に引き下げられました。普及が進むにつれ、国の補助金は段階的に縮小されていくのが一般的です。
「来年はさらに下がるかもしれない」と考えれば、補助金が手厚い今のうちに動くのは合理的な判断といえるでしょう。
EV購入は最大130万円!車両向けCEV補助金の補助額と対象車種
V2Hを使うにはEVやPHEVが必要です。車の購入にもCEV補助金が使えるので、あわせて把握しておけば、トータルの出費を大幅に減らせます。
2026年1月に上限額が大幅アップ
2026年1月の制度見直しにより、EV(普通車)の補助上限額が90万円から最大130万円へ一気に引き上げられました。車種カテゴリごとの上限額は以下のとおりです。
| 車種カテゴリ | 補助上限額 |
|---|---|
| EV(普通車) | 最大130万円 |
| PHEV | 最大85万円 |
| 軽EV(日産サクラなど) | 最大58万円 |
| FCV(燃料電池車) | 最大255万円 |
※2026年4月1日以降の新車新規登録分の金額です。登録時期によって補助額が異なる場合があります。
実際の補助額は車種・グレードで個別に決まる
「上限130万円」はあくまで天井の金額です。実際の補助額は車種・グレードごとに、航続距離、充電インフラの整備状況、製造時のCO2排出削減(GX鋼材の使用など)、整備人材の育成という4つの評価要素をもとに決まります。
国内に充電ネットワークとメンテナンス体制を持つ国産メーカー(トヨタ・日産・ホンダなど)が高評価を得やすい仕組みになっており、多くの国産EVで125〜130万円の最上位ランクが見込まれています。
補助金額の具体例
| 車種 | メーカー希望小売価格 | CEV補助金額(目安) |
|---|---|---|
| 日産サクラ G(2WD) | 約308万円 | 約58万円 |
| 日産リーフ | 約565万円 | 100〜129万円 |
※補助金額は登録時期やグレードにより変動します。最新の車種別補助額は次世代自動車振興センター(NeV)の公式サイトで確認してください。
自分のEVがV2Hに対応しているかどうかは、V2H対応EV・PHV車種一覧で確認できます。
車両向け補助金の主な条件
車両向けCEV補助金を受けるための主な条件は以下の4つです。
- 新車であること(中古車は対象外)
- 自家用車であること(事業用の緑ナンバー・黒ナンバーは別の補助制度)
- 新車新規登録から原則1ヶ月以内に申請すること
- 届出日から4年間の保有義務があること
特に「登録から1ヶ月以内」の申請期限は非常に短いです。納車前から必要書類の準備を進めておきましょう。
そもそもCEV補助金とは?制度の目的と全体像
ここまで補助額を見てきましたが、「そもそもCEV補助金って何の制度?」という基本も押さえておきましょう。制度の仕組みを理解しておくと、申請時の判断に迷いにくくなります。
CEV=クリーンエネルギー自動車のこと
CEVは「Clean Energy Vehicle(クリーンエネルギー自動車)」の略称です。具体的には、EV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCV(燃料電池自動車)が該当します。ガソリンだけで走る従来のハイブリッド車(HEV)は対象外です。
正式名称は「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」
経済産業省が主導する国の補助金制度で、申請受付や審査は一般社団法人 次世代自動車振興センター(NeV)が担当しています。
補助対象は「車両」と「充電設備」の2種類
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CEV補助金は車の購入補助だけではありません。V2H充放電設備や外部給電器も補助対象に含まれています。
| 対象 | 補助内容 |
|---|---|
| 車両(EV・PHEV・FCVなど) | 新車購入費用の一部を補助 |
| V2H充放電設備 | 機器費+設置工事費の一部を補助 |
| 外部給電器 | 機器費の一部を補助 |
EVの購入とV2Hの設置を同時に進めれば、それぞれで補助金を申請できます。
国が補助金を出す2つの理由
1つは脱炭素社会の実現です。ガソリン車からEVへの移行を加速させ、CO2排出量を削減する狙いがあります。
もう1つは災害時の防災力強化です。V2Hがあれば、停電時にEVの大容量バッテリーを家庭の非常用電源として使えます。国としては「移動できる蓄電池」を各家庭に普及させたいのです。
こうした背景から予算規模は年々拡大しており、令和7年度補正予算では約1,100億円が計上されました。
V2Hの仕組みやメリット・デメリットの基本を知りたい方は、V2Hとは?仕組み・メリット・デメリットをご覧ください。
申請から振込まで6ステップ|CEV補助金の手続きの流れ
CEV補助金は「申請すれば自動でもらえる」ものではありません。手順を間違えると補助金自体を受けられなくなるケースもあります。ここではV2H向けの申請手順を中心に、全体の流れを整理します。
V2H向けCEV補助金の申請6ステップ

必要書類の準備
申請に必要な主な書類は以下のとおりです。
- 申請者の本人確認書類(運転免許証など)
- V2H機器の見積書(商品代+工事代)
- 設置予定場所の写真(建物外観・設置場所)
- 設置場所の見取図・平面図・電気系統図
- EV・PHEVの車検証、または注文書
図面や電気系統図は個人で用意するのが難しいため、施工業者に相談しながら準備を進めるのが現実的です。
交付申請書類の提出
NeV(次世代自動車振興センター)にオンラインまたは郵送で申請します。窓口への持ち込みは受け付けていません。
審査・交付決定
NeVが書類を審査し、問題がなければ交付決定通知書が発行されます。審査期間は1〜2ヶ月程度が目安ですが、申請が集中すると長引くこともあります。
V2H機器の発注・設置工事
交付決定通知書を受け取ってはじめて、V2H機器の発注と設置工事に着手できます。この順番は絶対です(詳しくは次の章で解説します)。
実績報告の提出
設置工事の完了と代金の支払いが済んだら、NeVに実績報告を提出します。工事完了または支払い完了から30日以内が提出の目安です。
補助金額の確定・振込
NeVが実績報告を審査し、補助金額を確定。確定通知書の発行後、指定口座に振り込まれます。実績報告から振込まで2〜3ヶ月程度かかるのが一般的です。
振込までの目安は半年以上
申請開始から補助金の振込まで、全体のスケジュール感はこのイメージです。
| 段階 | 目安期間 |
|---|---|
| 書類準備〜申請 | 2〜4週間 |
| 審査〜交付決定 | 1〜2ヶ月 |
| 発注〜工事完了〜支払い | 1〜3ヶ月 |
| 実績報告〜振込 | 2〜3ヶ月 |
| 合計 | 約6〜10ヶ月 |
補助金は後払いなので、V2H機器の購入費用と工事費用はいったん全額自己負担する必要があります。資金計画は早めに立てておきましょう。
個人でも申請できるが、業者に任せるのが現実的
個人の方もオンラインで申請できます。ただし、図面や電気系統図など専門的な書類が含まれるため、施工業者に申請代行を依頼するのが確実です。補助金申請のサポート体制は業者選びの重要なチェックポイントにもなります。
業者選びのコツや工事の流れについては、V2H工事の流れと業者の選び方で詳しく解説しています。
知らないと損する!CEV補助金5つの注意点
CEV補助金は金額が大きい反面、ルールも厳格です。「知らなかった」で数十万円を失わないために、以下の5つは必ず押さえておいてください。
注意点①:交付決定前の発注・工事着手は絶対NG
V2H向けCEV補助金で最もやってはいけないのがこれです。交付決定通知書が届く前に機器を発注したり、工事を始めたりすると、補助金は受けられません。
「先に工事して、あとから申請」は通用しません。順番を間違えた時点で権利を失います。
鈴木さおり
田中健太
鈴木さおり注意点②:予算消化で早期終了する
CEV補助金は先着順で、申請額の累計が予算に達した時点で受付終了です。2025年度のV2H向け予算は約40億円でしたが、申請開始からわずか2ヶ月ほどで終了しました。
「まだ期限内だから」とのんびりしていると枠がなくなります。公募開始の情報をキャッチしたら、すぐに動ける準備をしておくことが大切です。
注意点③:V2Hは5年・車両は4年の保有義務がある
補助金を受けた設備・車両には保有義務があります。
| 対象 | 保有義務期間 |
|---|---|
| EV・PHEV(車両) | 届出日から4年間 |
| V2H充放電設備 | 設置日から5年間 |
期間内に撤去・売却した場合は補助金の全額または一部を返納する必要があります。数年以内に転居の可能性がある方は、導入時期を慎重に検討してください。
注意点④:車両向けは登録から1ヶ月以内に申請が必要
車両向けCEV補助金は、新車登録から原則1ヶ月以内に交付申請を行う必要があります。納車後にのんびりしていると期限切れになりかねません。ディーラーで納車日が決まった段階で書類準備を始めましょう。
注意点⑤:補助金は後払い——資金計画を忘れずに
補助金は工事完了・支払い完了後に振り込まれる後払い方式です。V2Hの導入費用100〜180万円をいったん全額支払い、数ヶ月後に補助金が戻ってくる流れになります。
「補助金があるから大丈夫」と思っていても、手元資金が足りなければ導入自体が止まります。ローンの活用も含めて事前に資金計画を立てておきましょう。
V2H導入にかかる費用の全体像は、V2H導入にかかる費用の相場で解説しています。
自治体の補助金と併用で自己負担をさらに減らせる
CEV補助金は国の制度ですが、じつはお住まいの市町村が独自に用意している補助金ともほとんどの場合、併用できます。両方使えば、自己負担を大幅に圧縮できます。
国と自治体は交付元が違うから併用できる
| 補助金 | 交付元 | 申請先 |
|---|---|---|
| CEV補助金 | 国(経済産業省) | NeV(次世代自動車振興センター) |
| 自治体の補助金 | 都道府県・市区町村 | 各自治体の窓口 |
交付元が異なるため、それぞれに申請して両方受け取れます。ただし一部の自治体では「国の補助金との併用不可」や「併用時は減額」といった独自ルールがあるため、必ず自治体の要綱を確認してください。
田中健太
鈴木さおり
田中健太
鈴木さおり「二重取り」にはならないが、減額計算の自治体もある
国と自治体の併用は制度上の二重取りにはあたりません。ただし、自治体によっては「補助対象経費からCEV補助金の交付額を差し引いた残額」に対して補助する計算方法を採用しているケースがあります。申請前に窓口へ問い合わせるのが確実です。
併用するならスケジュール管理がカギ
国と自治体の補助金を併用する場合、申請時期・必要書類・交付決定のタイミングがそれぞれ異なります。特に注意したいのは以下の3点です。
- 自治体によっては契約前の事前申込が必要
- CEV補助金の交付決定→工事→自治体の実績報告という順序になるため、全体のスケジュールが長期化しやすい
- どちらか一方の予算が先に終了するリスクがある
施工業者に「国と自治体の両方を使いたい」と伝えておけば、逆算してスケジュールを組んでくれます。補助金申請に慣れた業者を選ぶことが、併用成功のカギです。
埼玉県内の自治体補助金の詳細は、埼玉県V2H補助金まとめをご覧ください。国と自治体の併用ルールについては国と市町村の補助金は併用できる?でさらに詳しく解説しています。
まとめ:補助金が手厚い今がV2H導入のベストタイミング
この記事のポイントを振り返ります。
補助金額は、V2H充放電設備で設備費+工事費あわせて最大65万円(個人宅)。車両向けはEV(普通車)で最大130万円、軽EVで最大58万円、PHEVで最大85万円です。さらに市町村の補助金と併用できるケースが多く、自己負担を大幅に減らせます。
申請の流れは、書類準備→申請→審査・交付決定→発注・工事→実績報告→振込の6ステップ。全体で半年〜10ヶ月ほどかかります。
絶対に守るべきルールとして、交付決定前の発注・工事着手はNG、予算消化で早期終了するため早めの行動が必須、V2Hは5年・車両は4年の保有義務がある、の3点は必ず覚えておいてください。
V2Hの補助率は年々縮小傾向にあり、今の水準がいつまで続くかはわかりません。導入を検討しているなら、補助金が手厚い今のうちに見積もりだけでも取っておくのが賢明です。
相見積もりは複数社に依頼するのが鉄則です。補助金の申請サポートに対応しているかどうかも、業者選びの重要なチェックポイントになります。
