「V2Hの導入、全部でいくらかかるんだろう?」
V2Hの費用は、本体価格に工事費が加わり、補助金で自己負担が変わります。この記事では「機器代」「工事費」「補助金」に分けて、総額と実質負担額を整理します。
国の補助金は2026年度(令和7年度補正予算)から合計上限130万円に引き上げられました。前年度の「最大65万円」で計算していた方は、見通しが変わります。
なお、国の補助金は2026年度分の受付を8月27日に終えています。次回の時期と金額は未定です(2026年10月時点)。
この記事でわかること
- V2H導入費用の総額目安(130〜200万円)
- 機器代と工事費、それぞれの相場
- 補助金を使った自己負担シミュレーション
- 費用を抑える具体的なコツ
V2H導入費用の総額は130〜200万円が目安
V2Hの導入費用は、機器の本体価格と設置工事費を合わせて130〜200万円程度が現在の相場です。国と自治体の補助金をフル活用すれば自己負担45〜80万円程度まで下げられます。
| 費用項目 | 相場(税抜) |
|---|---|
| V2H機器の本体価格 | 50〜180万円 |
| 設置工事費 | 20〜50万円 |
| 合計 | 約130〜200万円(税込換算) |
幅が大きいのは、機種のグレードと設置条件で金額が変わるためです。全負荷型と特定負荷型では、本体価格だけで数十万円の差が出ます。
判断は工事費を含めた「総額」で。「本体50万円」でも、工事費を足すと80万円以上になるのが普通です。
実際の金額は、機器のグレード・分電盤の位置・駐車場までの距離で数十万円変わります。自分の家の金額を知る最短の方法は、現地調査を含む無料見積もりです。
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相場だけでは自宅の金額は分かりません。分電盤の位置や設置条件を踏まえた現地見積もりなら、あなたの家の正確な費用が分かります。次回の補助金の公募に向けて、機種と金額を先に固めておきたい方にも。埼玉県対応です。
※国のV2H補助金(2026年度分)は8月27日で受付を終了しています。次回は未定です。
V2H機器の本体価格|50〜180万円と幅がある理由
本体価格は、機種のグレードと機能で大きく変わります。
グレード別の価格帯
| グレード | 価格帯(税抜) | 主な仕様 |
|---|---|---|
| エントリー | 50〜60万円 | 特定負荷型・出力3kW程度(現行販売は東光高岳のみ) |
| スタンダード/プレミアム | 90〜130万円 | 全負荷型・倍速充電・最大出力6kW |
| ハイエンド/プレミアムPlus | 130〜170万円 | UPS搭載・自動切替・スマホ連携 |
| トライブリッド型 | 200〜280万円以上 | 太陽光・蓄電池との連携対応 |
「倍速充電」は通常の2倍の速度でEVに充電できる機能です。出力6kWなら、3kWモデルの半分の時間で充電できます。
「スタンダード/プレミアム」の下限にあたるニチコンのプレミアム(89.8万円)は2026年2月に生産終了しました。在庫がなくなれば、この価格帯の実質的な下限は128万円のセパレート型(VSG3)です。
主な機種の希望小売価格
現在の主力は2024年発売のニチコンのセパレート型(VSG3-666CN7・希望小売価格 約128万円・税抜。ニチコン公式 VSG3シリーズ)で、壁掛け設置にも対応します。オムロンの「マルチV2Xシステム」(160万円〜・税別・部材セット別)も同様の構造です。
ニチコンのプレミアム(VCG-666CN7・約89.8万円)は販売店の在庫分のみの流通です。最安機種で見積もっていたら在庫切れということも起こり得るため、在庫の有無を確認してください。
メーカー・機種ごとの希望小売価格・保証・補助金の上限は、V2H機器メーカー比較の表で比べられます。実売は希望小売価格より安いことも多いため、実売価格ベースの見積もりで比べてください。
トライブリッド型(太陽光+蓄電池+V2Hの三位一体システム)
| メーカー・機種名 | 価格目安(税抜) | 主な特徴 |
|---|---|---|
| ニチコン トライブリッド蓄電システム | 200〜280万円(蓄電池容量により) | 4.9〜14.9kWhの蓄電池を選択可・保証15年 |
| パナソニック eneplat | V2Hスタンド176万円(税込)+パワーステーション96.8万円(税込)。蓄電池は別 | 蓄電池同時充放電・保証15年 |
蓄電池の容量や分電盤の追加費用も加わり、総額200〜300万円台になることもあります。太陽光を設置済みの方や、セット導入を考えている方向けです。
価格差が生まれる主な要因
価格の幅は、主に次の仕様の違いから生まれます。
- 停電時の給電範囲:特定負荷(一部の部屋だけ)か全負荷(家全体)か
- 停電時の切替方式:手動か自動か(自動切替は上位モデル)
- 太陽光・蓄電池との連携:単機能型かトライブリッド型か
- 保証期間:5年〜15年まで機種によって大きく異なる
- 設置方式:床置きか壁掛けか(壁掛け対応はセパレート型)
安い機種は初期費用を抑えられる一方、手動切替や短い保証といったトレードオフがあります。何を重視するかを決めてから選んでください。

設置工事費の相場|20〜50万円+追加工事に注意
設置には電気工事と基礎工事が必要で、工事費の相場は20〜50万円程度(税抜)です。自宅の状況によっては追加費用が出ます。
標準工事(20〜30万円)に含まれる内容
標準工事には次の作業が含まれます。
- 基礎工事:V2H本体を据えるためのコンクリート基礎の打設、またはブロック基礎の設置(壁掛け型はアンカー固定)
- 電気配線工事:V2H本体と分電盤をつなぐ配線、専用ブレーカーの増設
- 通信線工事:V2H本体の通信ケーブルの配線
- 本体の据付・固定:V2H機器の搬入と設置場所への固定(床置き型は50〜90kg程度の重量)
追加費用が発生しやすいケース
標準工事の範囲を超えると、数万〜十数万円の追加費用がかかります。
- 配線の延長:V2H機器(駐車場)から分電盤までの距離が遠いと、ケーブル代と施工の手間が増える
- 分電盤の交換・改修:既存の分電盤が古かったり容量が不足している場合、交換が必要になる
- 2階分電盤への配線:1階に分電盤がある家より配線が長くなり、工事費が上がりやすい
- 外構工事の追加:駐車場のコンクリートを割って配線を地中に埋める場合、または外壁に穴を開けた際の防水・補修処理が必要になる場合
これらは現地調査で初めて分かることが多いため、工事当日の追加請求を避けるには事前の現地調査が必須です。
現地調査で何を見られるか、見積書のどこを確かめればよいかは「V2H工事の流れと業者の選び方」で解説しています。
国の補助金では工事費も対象(上限55万円)です。ただし、基礎工事3.5万円・据付工事8万円・電気関連工事30万円などの項目ごとの上限があります。屋根や小屋の設置、既設設備の撤去費、申請の代行費用などは対象外です。工事費が全額戻るわけではありません。
田中健太
鈴木さおり同じ機種でも業者で総額に差が出る
見落としやすいのが業者による価格差です。同じ機種・同じ工事内容でも、業者を変えるだけで総額に差が出ることは珍しくありません。
原因は「ぼったくり」ではなく、仕入れルート・営業コスト・下請け構造といった事業構造の違いです(内訳はページ末尾の相見積もりのページで解説)。1社の見積もりだけで「これが相場」と判断しないでください。
購入先による価格傾向
| 購入先 | 価格帯 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ネット販売専門店 | 最も安い傾向 | 店舗コストがない分、本体価格を抑えやすい | 施工実績・保証内容の確認が必須 |
| EVディーラー | やや高め | EV購入と同時に相談できる手軽さ | 電気工事の専門知識が十分でない場合がある |
| 家電量販店 | 中程度 | キャンペーンで安くなることもある | 工事を下請けに委託するケースが多い |
| 訪問販売 | 最も高い傾向 | 自宅で説明を聞ける | 営業コストが価格に上乗せされやすい。即決を迫られることも |
ネット販売専門店が安いのは、店舗の運営費や営業人件費を抑えられるためです。ただし安さだけで選ぶと、施工実績や保証内容で後悔することがあります。
正確な費用は現地見積もりでしか分からない
ネット上の相場は目安で、あなたの家の確定金額は、現地調査を経た見積もりでしか分かりません。
国の補助金を使えた場合、導入費用の約55%が戻る
国の補助金だけで導入費用の約55%がカバーされます。自治体の補助金を併用できれば、カバー率は6割を超えます。補助金込みの実質負担額で判断してください。
国のCEV補助金は最大130万円(2026年度は受付終了)
国のCEV補助金(2026年度・令和7年度補正予算)は、機器代の1/2(型式ごとの上限あり・最大75万円)と工事費(上限55万円)を合わせて最大130万円です。主力のニチコンVSG3-666CN7なら、機器分の上限は64万円です。
ただし2026年度分は予算に達したため8月27日で受付を終了し、次回の公募時期や補助額は未発表です。最新の状況は次世代自動車振興センターの公式ページで確認してください。
埼玉県内の自治体補助金は国と併用できる
お住まいの市町村が独自のV2H補助金を設けている場合があり、国のCEV補助金と併用できるケースが多いです。要件(太陽光の同時設置など)や受付期間は自治体ごとに違うため、市の公式ページで確認してください。
なお、埼玉県(県単位)のV2Hへの補助金は令和8年度は実施されていません(県の家庭向け補助金の対象は太陽光・太陽熱・蓄電池・エネファーム)。
補助金と自己負担は、次のページで詳しく確認できます。
| 知りたいこと | 読むページ |
|---|---|
| 国の補助金の型式別上限と申請の流れ | 国のCEV補助金の解説 |
| お住まいの市の補助金の額と条件 | 埼玉県のV2H補助金まとめ |
| 自分の条件での自己負担と節約額 | V2H導入費用シミュレーター |
| 新築で導入する場合の費用と補助金 | 新築でV2Hを入れる費用と補助金 |
補助金適用後の自己負担シミュレーション
【ケース1】ニチコンVSG3+標準工事の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 機器の希望小売価格(税抜) | 約128万円 |
| 設置工事費(税抜) | 約30万円 |
| 導入費用合計(税抜) | 約158万円 |
| 導入費用合計(税込) | 約174万円 |
| 国のCEV補助金 設備分 | ▲64万円(型式別の上限額) |
| 国のCEV補助金 工事分 | ▲30万円(工事費の全額) |
| 補助金適用後の自己負担(税込) | 約80万円 |
【ケース2】在庫のあるプレミアム(VCG-666CN7)を選べた場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 導入費用合計(税込) | 約126万円(機器89.8万円+工事25万円) |
| 国のCEV補助金 合計 | ▲69.9万円 |
| 補助金適用後の自己負担(税込) | 約56万円 |
| 自治体の補助金(10万円の場合) | ▲約10万円 |
| 最終的な自己負担 | 約46万円 |
※金額は一例です。設備分の補助は「実際の購入価格×1/2」と型式別の上限額の低いほうなので、値引き幅が大きいと補助額も下がります。工事費も対象外の項目があると満額は出ません。
田中健太
鈴木さおり補助金は工事と支払いが済んだあとに振り込まれるため、代金はいったん全額を支払います。一括のほか、ローンやリースでも導入できます。払い方ごとの補助金の扱いはV2Hの支払い方法にまとめています。
V2H導入の費用対効果|電気代で元は取れる?
結論から言うと、V2H単体では電気代の節約だけで元は取れません。V2Hは電気代で元を取る設備ではなく、停電への備えと太陽光の自家消費のための設備です。計算の中身はV2Hの変換ロスとV2Hと太陽光発電の組み合わせで解説しています。
年間の節約額の目安
| 条件 | 年間節約額の目安 |
|---|---|
| V2Hのみ(深夜充電→昼間放電) | ほぼ見込めない |
| V2H+太陽光発電(余剰をEVにためて夕方以降に使う) | 約2.5〜5万円 |
※東京電力の料金単価(2026年10月時点・再エネ賦課金を含む)と往復効率65〜70%で計算した目安です。太陽光併用の上限側は、晴れた日中に車が家にあり、余った電気を十分ためられる家庭の場合です。他社の電気料金プランは単価が異なります。
太陽光なしで夜の安い電気をためて昼に使うだけでは、充電して家に戻すまでに3〜4割が消えるため、東京電力の時間帯別プランでは1kWh(kWhは電気の量の単位)あたり数円の損です。節約が出るのは太陽光の余りをためた場合で、家で1kWh使うたびに約21〜28円の得です(幅は燃料費調整の違い)。
自己負担(約45〜80万円・国の補助金を使えた場合)を太陽光併用の節約額で割ると、回収には約9〜30年かかり、メーカー保証の期間(現行の主な機種で10〜15年)を超えることが多くなります。2026年度の国の補助金は受付終了のため、補助金なしなら総額130〜200万円がそのまま負担です。
保証期間は機種により5〜15年(セパレートVSG3は10年、生産終了したプレミアムは5年、トライブリッドは15年)。寿命を公式に示すメーカーは少なく、オムロンは「設計上の標準使用期間」をパワーコンディショナ15年・EVユニット10年としています。
金額に換算できない「停電時の安心感」も大きな価値
もう一つの価値は、停電時の非常用電源としての安心感です。
満充電のEVなら、一般家庭の数日分の電気をまかなえます(日産リーフ55kWhで約4〜4.5日分が目安)。埼玉県でも台風や大雪による停電は起きています。
まとめ|まずは見積もりで「自分の家の費用」を知ろう
- V2H導入費用の総額は機器代+工事費で130〜200万円程度が相場
- 機器の本体価格は50〜180万円(税抜)。最安だったニチコンのプレミアムは2026年2月に生産終了し、現在の主力は128万円のセパレート型
- 設置工事費は20〜50万円。標準工事(20〜30万円)に加え、配線延長・分電盤交換・外構工事で追加費用が発生する場合あり
- 同じ機種でも業者によって総額に差が出る
- 国のCEV補助金は合計上限130万円(機器1/2・上限75万円+工事上限55万円)。自己負担は45〜80万円程度まで下がる
- ただし2026年度の受付は8月27日に終了。次回の時期・金額は未発表
- 電気代の節約だけでは元を取りにくい。V2H単体では節約がほぼ出ず、太陽光と組み合わせても回収に約9〜30年かかる
最終的な費用は設置条件や機器によって1件ごとに変わります。現地調査を含めた見積もりで「自分の家だといくらか」を把握することが第一歩です。
補助金の公募は先着順で、2026年度は開始から6週間ほどで締め切られました。公募が始まってから業者を探すのでは遅いため、機種と金額を先に確定させておくことが次回への準備になります。
業者選びの失敗を防ぐ方法が相見積もりです。進め方は次のページで解説しています。

