「自分の車でV2Hは使えるの?」「これから買うならどの車がいい?」V2H導入で最初に気になるのが対応車種です。
結論から言えば、日産・三菱を中心に国産メーカーのEV・PHEVは多くの車種が対応しています。一方、テスラなど一部の輸入車は非対応で、BMWやMINIのように停電時のみ使える車種もあります。
ただし同じ車種でも年式やグレードで対応が分かれることがあります。このページでメーカー別の一覧と確認のポイントを整理します。
V2Hの仕組みや費用の全体像は「V2Hとは?仕組み・メリット・デメリット」をご覧ください。
この記事でわかること
- 国産・輸入メーカー別のV2H対応車種一覧
- バッテリー容量別の給電時間の目安
- V2H機器ごとの対応車種の違い
- 年式・グレードによる落とし穴と確認方法
※2026年10月時点の各メーカー公表情報をもとにしています。最新情報は各自動車メーカーおよびV2H機器メーカーの公式サイトでご確認ください。
【国産メーカー別】V2H対応車種一覧
日産・三菱を中心に、国産メーカーの対応車種は豊富です。
※バッテリー容量は代表的なグレードの値です。
日産
初代リーフの時代からV2Hに対応しており、対応車種の数・実績ともに最も充実しています。
| 車種名 | タイプ | バッテリー容量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| リーフ | EV | 55kWh / 78kWh(現行) | V2Hの定番。現行の3代目もV2H機能を継続採用 |
| リーフ(先代) | EV | 40kWh / 60kWh | 生産終了。中古車が豊富。2021年式までの大容量モデル(e+)は62kWh |
| サクラ | EV | 20kWh | 軽EVで導入しやすい。容量は少なめ |
| アリア | EV | 66kWh / 91kWh | 大容量で停電対策にも強い |
| クリッパーEV | EV | 20kWh | 軽商用EV |
| e-NV200 | EV | 40kWh(2017年式までは24kWh) | 商用バンタイプ。2019年10月に販売終了(生産終了)。中古市場にあり |
三菱
PHEVで早くからV2Hに取り組んできたメーカーです。アウトランダーPHEVはバッテリー残量がなくなってもエンジンで発電できるため、長期の停電にも強いのが特徴です。
| 車種名 | タイプ | バッテリー容量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| アウトランダーPHEV | PHEV | 22.7kWh(改良前は20kWh) | V2H対応PHEVの代表格。エンジン発電も可能 |
| エクリプスクロスPHEV | PHEV | 13.8kWh | コンパクトSUV。PHEVは生産終了のため中古車で検討 |
| eKクロスEV | EV | 20kWh | 軽EV。日産サクラの兄弟車 |
| ミニキャブEV | EV | 20kWh | 軽商用EV。急速充電機能はメーカーオプション |
※アウトランダーPHEV・エクリプスクロスPHEVは、エンジンがかかった状態ではV2Hによる充放電ができません。電池を使い切ったら、V2Hとの接続を外してチャージモードなどで充電し、つなぎ直して給電します(三菱自動車のFAQ)。
トヨタ / レクサス
bZ4Xに加え、クラウンやアルファードなどPHEVの対応車種も増えています。一方で年式によって対応が分かれるため、最も注意が必要なメーカーです。
| 車種名 | タイプ | バッテリー容量 | 備考 |
|---|---|---|---|
| bZ4X | EV | 57.72kWh / 74.69kWh(旧型71.4kWh) | トヨタ初の量産BEV。2025年10月の一部改良で容量が変更 |
| bZ4X Touring | EV | 74.7kWh | 2026年式から |
| RAV4(PHEV) | PHEV | 22.7kWh | 2026年からのPHEVモデル |
| クラウン(PHEV) | PHEV | 18.1kWh | クラウン SPORT RS・クラウン エステート RS |
| アルファード / ヴェルファイア(PHEV) | PHEV | 18.1kWh | ミニバンのPHEV |
| レクサス RZ | EV | 74.7kWh / 77.0kWh(旧型71.4kWh) | グレードで容量が異なる |
| プリウスPHV(旧型) | PHEV | 8.8kWh | 生産終了。2019年5月〜2023年1月式の5人乗りが対象 |
| MIRAI | FCEV | ー | 燃料電池車。V2Hは停電時のみ使用可 |
ホンダ・マツダ・SUBARU・スズキ
その他の国産メーカーも、軽EVやSUVを中心に以下の車種が対応しています。
| メーカー | 車種名 | タイプ | バッテリー容量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ホンダ | N-VAN e: | EV | 29.6kWh | 軽商用EV。急速充電ポート付きの車両が対象 |
| ホンダ | N-ONE e: | EV | 29.6kWh | 軽EV。2025年9月発売 |
| ホンダ | Honda e | EV | 35.5kWh | 2024年7月に販売終了(生産終了)。中古車で検討 |
| ホンダ | CR-V e:FCEV | FCEV | ー | リース専用。V2Hは停電時の放電のみ |
| マツダ | MX-30 EV MODEL | EV | 35.5kWh | 生産終了。中古車で検討 |
| マツダ | MX-30 Rotary-EV | PHEV | 17.8kWh | 発電用のロータリーエンジンを搭載 |
| マツダ | CX-60 / CX-80(PHEV) | PHEV | 17.8kWh | SUVのPHEV |
| SUBARU | ソルテラ | EV | 74.7kWh(旧型71.4kWh) | 2025年10月の改良で容量が変更 |
| SUBARU | トレイルシーカー | EV | 74.7kWh | 2026年式から |
| スズキ | eビターラ | EV | 49kWh / 61kWh | 2025年式から |
※マツダMX-30は車台番号DRH3P-150001〜が対象です。それ以前の車両についてはマツダコールセンターに確認が必要です。
※このほか、ニチコン(VSG3)の対応車種一覧には、ダイハツ e-ハイゼット カーゴ・e-アトレー(2026年式〜・36.6kWh。充電は約4.5kW以下、放電は約2.0kW以下に制限)と、KIA PV5 パッセンジャー・カーゴ(2026年式〜・51.5kWh/71.2kWh)も載っています。
田中健太
鈴木さおりこれからEVやPHEVを買う場合は、車両にも国と市の補助金があります。埼玉県内で使える額は埼玉県のEV補助金(市町村別一覧)で確認できます。
そもそもV2H対応の条件とは?非対応車種がある理由
V2H対応の条件を押さえておくと、新しい車種が出たときも自分で判断できます。
条件①:CHAdeMO規格の急速充電口があること
CHAdeMO(チャデモ/日本のEV急速充電規格)の充電口があることが第一条件です。V2H機器はこの充電口から車のバッテリーの電気を取り出すため、普通充電口だけでは放電できません。
テスラ・ポルシェなどは、ニチコンとシャープの対応車種一覧に載っていません(2026年10月確認)。BMW・MINIは、一部の車種が停電時に限りV2Hに対応しています。
条件②:車両側に外部給電機能があること
CHAdeMOの充電口があっても、車のソフトウェアが外部への放電を許可していなければ使えません。カタログや仕様表の「外部給電機能」「V2H対応」の記載が判断ポイントです。
条件③:V2H機器側のリストにも含まれていること
V2H機器の側にも対応車種があり、同じ日産リーフでもニチコン製とオムロン製で対応が異なる場合があります。「車×V2H機器」の両面で確認が必要です。補助金の対象となるV2H機器の型式は、次世代自動車振興センターの型式別上限一覧(PDF)で公開されています。
下のフローチャートで、自分の車がV2Hに対応しているかを確認できます。
【輸入車(外車)】V2H対応車種一覧
BYDやメルセデス・ベンツなど、輸入車でも対応車種は広がりつつあります。ただし利用条件に制限がある車種もあります。
BYD・メルセデス・Hyundai・MINI・BMW
2026年10月時点で、日常のV2H(充電・放電)に使える主な輸入車は以下のとおりです。
| メーカー | 車種名 | タイプ | バッテリー容量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| BYD | ATTO 3 | EV | 58.56kWh | |
| BYD | DOLPHIN | EV | 44.9kWh / 58.56kWh | |
| BYD | SEALION 7 | EV | 82.56kWh | |
| メルセデス・ベンツ | EQA | EV | 70.5kWh(旧型66.5kWh) | |
| メルセデス・ベンツ | EQB | EV | 66.5kWh / 70.5kWh | 年式で容量が異なる |
| メルセデス・ベンツ | EQE | EV | 90.6kWh | EQE SUVは89.0kWh / 90.6kWh |
| メルセデス・ベンツ | EQS | EV | 118.0kWh(旧型107.8kWh) | EQS SUVも同じ容量 |
| Hyundai | KONA | EV | 48.6kWh / 64.8kWh | 一部のV2H機器で、太陽光の余剰電力で充電するときに充電電力が上がらない事象をメーカーが告知(2026年9月) |
次の車種は、V2Hを停電時の非常用電源としてのみ使えます。太陽光の電気をためて毎日使うといった日常の使い方には向きません。
| メーカー | 車種名 | タイプ | バッテリー容量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| BYD | SEAL / SEAL AWD | EV | 82.56kWh | ニチコンでは2025年前期モデルまで停電時のみ。以降のモデルは機器メーカーに確認 |
| Hyundai | IONIQ 5 | EV | 84.0kWh(旧型58kWh / 72.6kWh) | ニチコンの対応車種外(停電時の非常用電源としては利用可) |
| MINI | Cooper E / SE、ACEMAN、COUNTRYMAN | EV | 40.7〜66.45kWh | 発売当初からV2H機能を搭載。利用は停電時のみ(BMW公式) |
| BMW | iX1・iX2・i5・i5ツーリング・i7・iX | EV | 約65〜112kWh | 2024年7月生産分以降。利用は停電時のみ(BMW公式) |
※BYD SEALの2025年10月以降のモデルの扱いや、輸入車の年式ごとの対応は販売店に確認してください。
V2H非対応の主な輸入メーカー
以下のメーカーは、ニチコン(VSG3)とシャープの対応車種一覧に載っていません(2026年10月確認)。
- テスラ
- ポルシェ
- フォルクスワーゲン
- アウディ
対応が始まるかどうかは、各社とV2H機器メーカーの発表で確認してください。
車種名だけで判断しない|確認時の3つの注意点
一覧に自分の車が載っていても、「対応車種のはずなのに使えなかった」という失敗は、次の3つの見落としから起こります。
注意点①:年式・グレードで対応が変わる
代表例がトヨタのプリウスPHVで、旧型(2019年5月〜2023年1月式の5人乗り)はV2Hに対応しているのに、新型プリウスPHEV(2023年3月〜)は非対応です。
車種名だけで判断すると、世代違いで使えないことがあります。
注意点②:急速充電口がオプション装備の車種がある
旧型プリウスPHVでは、V2Hに必要な急速充電インレットがメーカーオプションで、付けずに購入した車両ではV2Hが使えません。中古車は実車で急速充電口の有無を確認してください。
注意点③:中古EV購入時は車台番号まで要確認
マツダMX-30のように、特定の車台番号以降のみ対応するケースもあります。中古車販売店はV2Hの対応状況まで把握していないことも多いため、自分で確認しましょう。
中古EVでは次の3点を確認してください。
- 急速充電口(CHAdeMO)が装備されているか
- 年式・車台番号が対応範囲に含まれているか
- V2H機器メーカーの対応車種リストに掲載されているか
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年式・グレード・充電口の有無まで含めて「うちの車で使えるか」を確実に知るには、V2Hの専門業者に車種を伝えて確認してもらうのが早道です。無料見積もりの段階で対応可否と補助金の相談まで済ませられます。
バッテリー容量で何時間使える?車種選びのポイント
車種選びの判断材料として、「バッテリー容量と給電時間」と「EVとPHEVの使い分け」を整理します。
バッテリー容量別の給電時間の目安
一般的な家庭の1日の電力消費量は約10〜13kWhです。容量をこの使用量で割り、放電下限と変換ロスを見込んで少なめ(1日12〜13kWhで割った値)に寄せると、給電できる日数の目安になります。
| バッテリー容量 | 代表的な車種 | 給電可能時間の目安(停電時の使い方) |
|---|---|---|
| 20kWh | サクラ、eKクロスEV | 約1.5日分 |
| 約30kWh | N-VAN e:、N-ONE e:(29.6kWh) | 約2〜2.5日分 |
| 55〜58kWh | リーフ(現行・55kWh)、bZ4X(57.72kWh) | 約4〜4.5日分 |
| 66kWh | アリア(66kWh) | 約5〜5.5日分 |
| 75〜78kWh | リーフ(現行・78kWh)、bZ4X(74.69kWh)、ソルテラ(74.7kWh) | 約6日分 |
| 91kWh | アリア(91kWh) | 約7日分 |
※先代リーフ(40kWh)は約3日分です。実際の給電可能時間は、放電下限の設定(ニチコンVSG3の初期設定は通常時30%・停電時10%)、家庭の電力使用量、気温などにより変動します。
V2Hによるバッテリー劣化やメーカー保証の扱いは、V2HによるEVバッテリー劣化の実際で解説しています。
「太陽光の自家消費」か「停電対策」かで選び方が変わる
太陽光の余剰電力をEVにためて夜に使うのが目的なら、軽EV(約20〜30kWh)でも十分です。太陽光がなく深夜の電気をためて昼に使う使い方は、充放電のロスが昼夜の単価差を上回り、ほとんど節約になりません。
停電対策を重視するなら、普通EV(約55〜90kWh)かPHEVが安心です。EVは大容量、PHEVはガソリンによる発電が強みです。
EV と PHEV、V2Hに使うならどっち?
EV
電気自動車
バッテリー容量
20〜91 kWh
大容量バッテリー搭載
停電時の給電目安
数日分
1回の充電で家庭1.5〜7日分
強み
- 太陽光の電気をためて使いやすい
- 太陽光との相性が良い
- 対応車種・実績が豊富
弱み
- バッテリー切れで給電終了
こんな方におすすめ
太陽光の自家消費を増やしたい方
PHEV
プラグインハイブリッド車
バッテリー容量
18〜23 kWh
+ ガソリンで発電可能
停電時の給電目安
最大約11日分
ガソリン満タン時(三菱の試算)
強み
- 長期停電に圧倒的に強い
- ガソリン補給で延長可能
- 遠出も安心の航続距離
弱み
- バッテリー単体の容量は控えめ
こんな方におすすめ
災害対策・停電対策メイン /
ガソリンスタンドが近い地域
「太陽光の自家消費 → EV」「停電対策・防災 → PHEV」が選び方の基本
まとめ|対応車種の確認はV2H導入の第一歩
- 国産車は日産・三菱を中心に対応車種が豊富。輸入車はBYDやベンツで対応が広がる
- テスラなどは非対応。BMW・MINIなど停電時のみ使える車種もある
- 同じ車種でも年式・グレード・オプションで対応が分かれることがある
- V2H機器側の対応リストでも要確認。「車×機器」の組み合わせが大事
- 太陽光の自家消費なら軽EV(約20〜30kWh)、停電対策重視なら普通EV(約55〜90kWh)かPHEVが目安
対応車種を確認したら、次は導入費用です。V2H機器との適合や工事費を含めた総額は、複数の業者から見積もりを取ると把握できます。
業者によって総額が変わることもあるため、適正価格で導入する進め方を以下の記事で解説しています。

