V2H機器メーカー比較|主要6社の価格・保証・補助上限額を一覧で徹底解説【2026年最新】

V2H機器メーカー比較|主要6社(希望小売価格・保証期間・補助の上限額)

「ニチコン、オムロン、パナソニック……V2Hは結局どれを選べばいいの?」

各社のカタログは専門用語や型番が多く、価格の載せ方もメーカーごとに違うため、比べにくいのが実情です。

この記事では、2026年10月時点の家庭用V2H主要6メーカー(ニチコン・オムロン・パナソニック・長州産業・シャープ・デンソー)を比べます。比べる項目は、型番・希望小売価格・保証期間と、CEV補助金の型式別補助上限額です。補助上限額は、別売品の含み方が違っても横並びで比べられます。タイプ別の早見表で、2〜3社まで候補を絞れます。

V2Hの基本(仕組み・メリット・デメリット)から押さえたい方は、先にV2Hとは?仕組み・メリット・デメリットをご覧ください。

目次

【結論】タイプ別おすすめV2H機器

まず結論です。ご家庭の状況別に、候補にしたいメーカー・機種を整理しました。

ご家庭の状況おすすめ機種
太陽光なし。V2H単体で十分ニチコン VSG3セパレート
10年保証・省スペース重視オムロン マルチV2X/長州産業 マルチV2X
太陽光+蓄電池もまとめて導入パナソニック eneplat/長州産業 スマートPVエボ
HEMSとの連携を重視デンソー(SDシリーズ)/シャープ Eeeコネクト

コスパ重視・単機能でOKなら → ニチコン VSG3セパレート

太陽光の予定がなく、V2H単体で入れたい方向け。希望小売価格128万円(税抜)で、全負荷・自動切替・10年保証を備える現行主力モデルです。日産リーフ・サクラ・三菱アウトランダーPHEV(プラグインハイブリッド車)など多くの車種に対応します。

10年保証・設置スペースに余裕がないなら → オムロン or 長州産業マルチV2X

10年無償保証が標準です。壁掛けのコンパクト設計で狭小住宅にも収まりやすく、既設の太陽光パワコンとも接続しやすいのが強み。長州産業の「マルチV2X」はオムロンのOEM製品で、同等仕様です。

太陽光+蓄電池とセットで導入するなら → パナソニック eneplat/長州産業 スマートPVエボ

太陽光・蓄電池・V2Hを1台のパワーコンディショナで統合制御する「トライブリッド型」で、変換ロスが少ないのが利点です。パナソニックは15年の長期保証、長州産業は段階的な拡張に対応します。

HEMS連携・国内大手の信頼性を重視するなら → デンソー/シャープ

デンソーはトヨタグループの自動車部品メーカーで、自社HEMS(家庭のエネルギーを見える化・自動制御する仕組み)との連携が強み。シャープは「Eeeコネクト」でAIを使ったエネルギー最適制御ができます。

V2H機器を比較する3つの観点

V2H機器は次の3点で比べると、各社のカタログが読みやすくなります。

①負荷タイプ|停電時にどこまで電気を使えるか

停電時に家のどの範囲まで電気を使えるかの違いです。

  • 特定負荷型:あらかじめ指定した一部の部屋・回路にだけ給電する。200V機器(エアコン・IH・エコキュート)は使えない。本体価格は安め
  • 全負荷型:家全体に給電でき、200V機器も使える。停電時もふだんに近い生活ができる

2026年時点で新たに発売されている家庭用V2Hは、ほぼ全負荷対応です。2019年の台風15号・19号のような長時間停電を想定するなら、エアコンや冷蔵庫が使える全負荷型が現実的です。

停電時に使える家電や、EVの残量で何日もつかはV2Hの停電対策で解説しています。

②停電時の切替方式|自動か手動か

停電の瞬間に、EVからの給電がどう始まるかの違いです。

  • 自動切替:停電を検知すると自動でEVからの給電が始まる。深夜や悪天候時にも安心
  • 手動切替:分電盤の操作やケーブル接続が必要。操作自体は簡単だが、暗闇の中での作業が想定される

停電対策が目的なら、自動切替は事実上必須です。

③単機能型 vs トライブリッド型|V2Hだけ入れるか、太陽光・蓄電池とまとめるか

  • 単機能型(V2H専用):V2Hの充放電機能のみ。太陽光や蓄電池は既存の機器で個別に管理。導入コストを抑えやすい
  • トライブリッド型:太陽光発電・蓄電池・V2Hを1台のパワーコンディショナで統合制御。変換ロスが少なく効率的。ただし導入コストは高め

V2Hだけ入れるなら単機能型で十分です。太陽光や蓄電池もまとめて検討するなら、トライブリッド型が候補になります。

なお、太陽光との併用(系統連系)は2026年時点の主要機種がほぼすべて対応しているため、比較軸から外しています。

対応車種はメーカーごとに決まっています。検討中のEV・PHEVが対応しているか、各メーカーの公式サイトで事前に確認してください。

主要6メーカーの特徴と代表機種

主要6メーカーを、型番・希望小売価格・保証期間で紹介します。価格は2026年10月時点です。実際の販売価格は希望小売価格より安いことが多く、総額は施工業者や設置環境で変わります。

ニチコン|V2H市場シェアNo.1のパイオニア

ニチコンは2012年に世界で初めてV2Hシステムを開発したメーカーで、国内シェアは約9割(ニチコン公式。富士経済調べ・2022年度)。迷ったらまず候補に挙がる定番です。

機種・型番希望小売価格(税抜)保証主な特徴
VSG3セパレート(VSG3-666CN7AS/AB)128万円10年2024年3月発売・壁掛け可・自動切替・現行主力
プレミアムPlus(VCG-666CN7K)180.7万〜182.65万円(4型式)5年UPS搭載・自動切替・特別商流モデル
プレミアム(VCG-666CN7)89.8万円5年床置き型・全負荷手動切替・2026年2月生産終了(在庫限り)
スタンダード(VCG-663CN3/CN7)——2024年夏に生産終了

「いちばん安いV2H」として選ばれてきたプレミアム(VCG-666CN7)は、JET認証(電気製品の安全性を第三者機関が認証する制度)の期間終了にともない2026年2月に生産終了しました。在庫がなくなり次第、購入できません。

これから選ぶなら、VSG3セパレートが実質の標準機です。壁掛けでき、自動切替と10年保証を備えます。最上位のプレミアムPlusはUPS(停電の瞬間も電気が途切れない仕組み)搭載ですが、希望小売価格は180.7万〜182.65万円(税別・型式により異なる)と高額です。

太陽光・蓄電池との統合制御なら、別系統の「トライブリッドシステム」(蓄電池容量4.9〜14.9kWh・保証15年。kWhは電気の量の単位)になります。VSG3の仕様はニチコン公式サイトで確認できます。

オムロン|10年保証とコンパクト設計が標準

オムロンは太陽光発電用パワーコンディショナで高いシェアを持つメーカーで、2023年5月に最初のV2X機種を発売しました。標準10年保証、壁掛けできるコンパクト設計、既設の太陽光パワコン(メーカー問わず)と接続しやすい点が強みです。重塩害・積雪地対応モデルもあります。

機種・型番価格保証主な特徴
マルチV2Xシステム(KPEP-Aシリーズ)単機能セット160万円〜(税別・希望小売)。部材セット8.4万〜20.9万円が別10年セパレート構造・壁掛け可・ニチコンVSG3と同等水準

希望小売価格は、単機能V2Xシステム(一般分電盤)が160万円(税別)、太陽光と一体で動くハイブリッドV2Xシステムが240万円(税別)から。工事に必要な部材セット(8.4万〜20.9万円・税別)を組み合わせて発注します。

対応車種はニチコンより少なめなので、事前確認は必須です。長州産業「マルチV2X」はこのKPEP-AのOEM製品で、仕様はほぼ同じです。

価格の一覧はオムロン公式のシステム構成で確認できます。

パナソニック|eneplatで太陽光・蓄電池・EVを一括管理

パナソニックは太陽光パネル・蓄電池・V2Hまでをワンストップで提供できる住宅設備メーカーです。「eneplat」は3連携を前提に設計され、蓄電池とEVへの同時充放電にも対応します。

機種・型番価格保証主な特徴
eneplat V2H蓄電システムV2Hスタンド176万円(税込)+パワーステーション96.8万円(税込)15年トライブリッド型・蓄電池同時充放電・AiSEG2連携

希望小売価格はV2Hスタンド(LJV2671C)が176万円(税込・税抜160万円)で、別にパワーステーション(96.8万円・税込)が必要です。工事費は含みません。15年の長期保証が強みですが、太陽光+蓄電池+V2Hのセット導入が前提の設計のため、全体の費用は高額になりやすい点に注意してください。詳細はパナソニック公式サイトへ。

長州産業|スマートPVエボとマルチV2Xの2ライン

長州産業は山口県に本社を置く太陽光パネルの国内メーカーで、V2Hには2つの製品ラインがあります。

  • マルチV2Xシステム:オムロンKPEP-AのOEM製品。仕様・性能はオムロンと同等で、長州産業の販売ルートで購入できる
  • スマートPVエボ:太陽光・蓄電池・V2Hの3連携システム。蓄電池容量を6.3〜12.6kWhで選べ、増設やV2Hの後付けも可能
機種価格保証主な特徴
マルチV2X140.8万円〜(税込・CV-M02A-N)。全負荷分電盤などは別売10年オムロンKPEP-AのOEM
スマートPVエボV2Hスタンド176万円(税込)。多機能パワコンは別15年蓄電池+V2Hの段階導入が可能

太陽光パネルも自社製のため、全設備を長州産業で揃えられます。マルチV2Xは販売店によって実売価格に差が出ることがあります。詳細は長州産業公式サイトへ。

シャープ|業界最軽量クラスのコンパクトモデル

シャープのV2Hは業界最小・最軽量クラスのコンパクト設計が特徴です。蓄電池とEVへの同時充放電に対応し、太陽光パネル・蓄電池・V2Hをシャープで揃えることもできます。「Eeeコネクト」はAIでエネルギーを最適制御するシステムです。

機種・型番価格保証主な特徴
Eeeコネクト V2Hシステム(JH-WE2301)希望小売価格165万円(税込・EV用コンバータ単体。対応パワコンが別に必要)5年業界最軽量・3連携制御・AI最適制御

無償保証は5年と他社より短めです。対応車種も少ない傾向があり、V2Hでの実績はニチコン・オムロンより浅めです。詳細はシャープ公式サイトへ。

デンソー|トヨタグループのHEMS連携モデル

デンソーはトヨタグループの自動車部品メーカーで、自社製HEMSとの連携が強みです。製品はニチコンのOEMがベースで、独自のメタリックグレー塗装です。

機種・型番価格保証主な特徴
SDシリーズ(DNEVC-SD6075/セパレート型・現行)オープン価格5年パワーユニット/プラグホルダ分離・据置/壁掛対応・IP55
Dシリーズ(DNEVC-D6075/D6075-2・一体型)—(製造終了)5年2026年2月22日に製造終了。在庫限り

一体型のDシリーズ(DNEVC-D6075およびDNEVC-D6075-2)は2026年2月22日に製造終了し、在庫限りの販売です(デンソー公式)。これから選ぶならセパレート型のSDシリーズです。詳細はデンソー V2H公式サイトへ。

6メーカー横断比較表

6メーカーの主力機種を1枚の表で比べます。

項目ニチコンVSG3オムロンパナソニック長州産業マルチV2XシャープデンソーSD
希望小売価格(機器)128万円(税抜)160万円〜(税別・部材セット別)160万円(税抜)+パワーステーション88万円(税抜)140.8万円〜(税込・分電盤別)165万円(税込・パワコン別)オープン価格
負荷タイプ全負荷全負荷全負荷全負荷全負荷全負荷
停電時切替自動自動自動自動自動自動
保証期間10年10年15年10年5年5年
対応車種(車種ごとの確認)◎ 最多○△ 要確認○△ 少なめ○(ニチコンOEMベース)
壁掛け設置○◎△◎◎○(SDシリーズ)
太陽光+蓄電池連携△○◎◎◎△

※価格は2026年10月時点。デンソーはオープン価格です。工事費はどのメーカーも別で、総額は施工業者の見積もりで確かめます。工事費を含めた相場はV2Hの設置費用の相場をご覧ください。

表から読み取れる傾向は3点です。

  • 充放電出力はいずれも5.9〜6kWで、性能差は出にくい
  • 希望小売価格はデンソー以外の5社が公開。ただし分電盤やパワコンなど別売品の含み方が違い、定価だけでは比べにくい。手がかりは次の補助上限額
  • 太陽光+蓄電池の統合管理ならパナソニック・長州産業スマートPVエボ・シャープ、単機能ならニチコン・オムロン・長州産業マルチV2Xから選ぶと絞りやすい

CEV補助金の型式別補助上限額|実質の負担を比べる数字

補助金で実質いくらになるかの手がかりが、CEV補助金(正式名称:クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てん設備等導入促進補助金)の型式別補助上限額です。制度の全体は国のCEV補助金の中身と申請の流れで解説しています。EVやPHEVの車両の購入にも別の補助があり、埼玉県内の額は埼玉県のEV補助金(市町村別一覧)にまとめています。

上限額は国が型式ごとに公表しています。設備費の補助額は「機器の購入価格(税抜)×1/2」と「型式別の上限額」のいずれか低い方です。

メーカー型式設備費補助の上限額
ニチコンVSG3-666CN7AS/AB(セパレート)64.0万円
ニチコンVCG-666CN7K-1WH30ほか(プレミアムPlus)75万円
ニチコンVCG-666CN7(プレミアム・生産終了)44.9万円
オムロンKPEP-A-SET-ACほか(マルチV2X)75万円
パナソニックLJV1671B/LJV2671C/LJVH671C75万円
長州産業CV-M01Aほか(マルチV2X)75万円
長州産業VCP601/VCP602(スマートPVエボ)75万円
シャープJH-WE2301(Eeeコネクト)75万円
デンソーDNEVC-SD6075/SD6075S74万円/75万円
デンソーDNEVC-D6075-2(生産終了)55万円

※令和7年度補正予算分・令和8年8月31日更新の公式一覧より。枝番の型式で上限額が異なる場合があるため、契約前に次世代自動車振興センター公式サイトで見積書の型式を確認してください。

工事費の補助は別にあり、定額(1/1)で上限55万円です。基礎工事3.5万円・電気関連工事30万円などの項目別上限があり、屋根や防護部材、申請代行費は対象外。設備費と合わせた合計の上限は130万円です。

たとえばニチコンVSG3セパレートは、128万円(税抜)×1/2=64万円で、型式別上限も64万円。工事費補助(最大55万円)を足すと、条件がそろえば最大119万円です。

2026年度分の受付は令和8年7月17日に始まり、予算到達で8月27日に終了しました。次回の時期・金額は2026年10月時点で公表されていません。

業者から「補助金込みでいくら」と提示されたら、この上限額で検算できます。

広告

機種の候補が絞れたら、その型式で実際にいくらになるかを確かめる段階です。V2H専門の見積もりサービスなら、補助金の相談もあわせて無料で依頼できます。

V2Hの無料見積もり・補助金相談はこちら

本体の大きさ・重さ・運転音・ケーブルの長さは、V2Hの設置場所と大きさで機種ごとに確認できます。

まとめ|メーカーを絞ったら、次のステップへ

  • V2H機器は「負荷タイプ」「停電時の切替方式」「単機能vsトライブリッド」の3点で比較する
  • 主要6メーカーはニチコン・オムロン・パナソニック・長州産業・シャープ・デンソー
  • タイプ別の絞り込み:コスパ重視ならニチコンVSG3(希望小売128万円・10年保証)、長期保証・省スペースならオムロン、太陽光+蓄電池とセットならパナソニック/長州産業
  • 希望小売価格はニチコン・オムロン・パナソニック・長州産業・シャープが公開。デンソーはオープン価格で、施工業者の見積もりで価格が決まる
  • ニチコンのプレミアム(VCG-666CN7)とデンソーのDシリーズは2026年2月に生産終了。在庫限りの販売
  • CEV補助金の設備費上限は型式ごとに異なる。VSG3は64.0万円、オムロン・パナソニック・長州産業・シャープは75万円。工事費補助と合わせた合計上限は130万円
田中健太
さおりさん、メーカーは候補が絞れた気がします。次は何をすればいいですか?
鈴木さおり
次は業者選びだよ。工事費や値引きで、同じ機種でも業者によって総額が変わることがあるの。金額の根拠をきちんと説明してくれる業者を選ぶのが大事

機器が絞れたら、次は施工業者の比較です。業者選びの進め方は下の記事で解説しています。

あわせて読みたい
V2Hの見積もりで失敗しないために相見積もりが必要な4つの理由 V2H導入で同じ機器でも業者によって総額に差が出ます。価格・補助金代行・工事品質・悪徳業者リスクの4点から相見積もりが不可欠な理由を埼玉県の事情を踏まえて解説。後悔しない業者選びの判断軸がわかります。
目次