停電対策はV2Hでなくてもいい?ポータブル電源・車のコンセント・外部給電器と比較

停電対策はV2Hでなくてもいい?|家全体ならV2H(ポータブル電源・車のコンセント・外部給電器と比べる)

停電に備えたいけれど、V2Hは100万円を超える。もっと手軽な方法で十分なのでは、と迷っていませんか。

停電対策には、ポータブル電源・車のコンセント・外部給電器・V2Hの4つの方法があり、違いは「電気がどこまで届くか」です。届く範囲・費用・向いている家庭を、メーカーと国の公式情報をもとに比べます。

目次

結論:何を守りたいかで選ぶ。家全体ならV2H、家電数台ならそれ以外

停電対策の4つの方法:電気が届く範囲が違う ポータブル電源 給電先 本体のコンセント 1〜2kWh級 家電数台を数時間〜 車のコンセント 給電先 車内・荷室の100V 合計1500Wまで HV・PHEVなら数日 外部給電器 給電先 機器のコンセント 3〜6kW EVの電気を家電へ V2H 給電先 家の分電盤 家全体(6kVA) 停電時に自動で切替 出力・容量はメーカー公式の代表例。V2Hはニチコン VSG3(全負荷・200V対応)の場合 停電対策の4つの方法 ポータブル電源 給電先:本体のコンセント 1〜2kWh級 家電数台を数時間〜 車のコンセント 給電先:車内・荷室の100V 合計1500Wまで HV・PHEVなら数日 外部給電器 給電先:機器のコンセント 3〜6kW EVの電気を家電へ V2H 給電先:家の分電盤 家全体(6kVA) 停電時に自動で切替 V2Hはニチコン VSG3(全負荷)の場合
図:停電対策の4つの方法と、電気が届く範囲
  • ポータブル電源:買ってすぐ使える。容量は1〜2kWh級(kWhは電気の量の単位)が中心で、家全体の1日分(10〜13kWh)には届かない
  • 車のコンセント:HV・PHEVなら追加の機器なしで使える。合計1500Wまでの家電に限られる
  • 外部給電器:EVの電池から家電に電気を出す機器。3〜6kWと出力が大きいが、家の配線にはつながらない
  • V2H:家の分電盤につなぎ、現行の主力機は停電時に自動で切り替わる(在庫品には手動の機種もある)。全負荷型なら200Vのエアコンも使える

4つの方法の違いを比べる

ポータブル電源車のコンセント外部給電器V2H
電気が届く範囲つないだ家電だけつないだ家電だけつないだ家電だけ家の配線(全負荷なら家全体)
出力の目安1500〜2200W合計1500W3〜6kW6kVA(VSG3)
停電時の切替手動手動手動自動(在庫品に手動の機種あり)
必要な車なしコンセント付きのHV・PHEVなどEV・PHEV(対応車)EV・PHEV(対応車)
費用の目安定価12〜21万円ほど車の装備(オプションの場合あり)約45〜88万円総額130〜200万円

※ 出力・価格はメーカー公式の代表例(2026年10月8日確認)。ポータブル電源は1〜2kWh級の定価で、セールで大きく変わります。外部給電器はニチコン パワー・ムーバー ライト(3.0kW・税別45万円・2021年発表時)からホンダ Power Exporter e: 6000(6.0kVA・税込88万3,960円)まで。

V2Hは機器と工事を含む総額で、詳しい内訳はV2Hの費用相場で解説しています。

ポータブル電源:手軽だが容量は家全体の数時間分

ポータブル電源は電池を内蔵した持ち運べる電源で、工事なしですぐ使えます。主なメーカーの1kWh級は定格1500W、2kWh級は2200Wほどで、冷蔵庫や照明、スマホの充電には十分です。

ただし、1日10kWhを使う家庭に当てはめると、1kWh級は約2.4時間分、2kWh級でも約5時間分です(計算値・変換ロスを除く)。使う家電を絞るのが前提です。

大容量のものは事故のときの発熱も大きく、製品評価技術基盤機構(NITE)が衝撃や高温を避けることと、リコール品は異常がなくても使用をやめることを呼びかけています(NITEの注意喚起)。

車のコンセント:HV・PHEVなら数日分

AC100V・1500Wのコンセントが付いたHVやPHEVは、エンジンで発電しながら家電に電気を出せます。トヨタの試算では、プリウス(2.0L)がガソリン満タンで出せる電力は約48kWhで、1日10kWh使うと約5日分です(トヨタ 給電できるクルマ)。

同時に使えるのは合計1500Wまでです。トヨタによると、起動するときに消費電力の1.1〜8倍の電力が必要な機器があり、合計1500W以下でも止まる場合があります。エンジンがかかるので換気にも注意します。

外部給電器:EVの電気を家電に。家の配線にはつながらない

外部給電器(V2L)は、EVやPHEVの急速充電口につないで、電池の電気を家電に出す機器です。ニチコンのパワー・ムーバー ライトは3.0kW(100V×2口・約21kg)、ホンダのPower Exporter e: 6000は6.0kVAで200Vのコンセントも1口あります。

ニチコンの4.5kWモデルとライトのイエローは、2026年3月31日で受注を終えています(ニチコン パワー・ムーバー)。

国の外部給電器の補助(税抜価格の1/3・機種ごとの上限あり)は、V2Hの補助と同じく2026年8月27日で受付を終了し、次回は未定です(2026年10月時点)。埼玉県内では、富士見市が可搬型の外部給電器に3万円を補助しています(令和8年度)。

補助の内容と受付状況は、NeVの外部給電器の補助と富士見市の補助金ページで確認できます。

V2H:家全体に自動で電気を送れる

V2Hは、EVと家の分電盤をつなぐ機器です。停電すると自動で切り替わり、家の配線を通して電気を送ります。全負荷型(家全体に送るタイプ)なら、200VのエアコンやIH調理器も使えます。自分の車が対応しているかはV2H対応車種一覧で確認できます。

コードの引き回しや家電のつなぎかえが要らず、夜中や留守中の停電でも電気が止まりません。満充電のEVで何日使えるかは、V2Hは停電時に何日使える?で車種ごとに解説しています。

田中健太
停電対策なら、正直ポータブル電源で十分な気もするんですよね

鈴木さおり
冷蔵庫とスマホくらいならそれでいいと思う。ただ夏の停電でエアコンが止まると、家族がいるとけっこうきついんだよ。うちはそこがV2Hにした決め手だったかな

どれを選ぶか:家族と家電で考える

何を守りたいかで選ぶ 家全体の電気やエアコン(200V)も使いたい → V2H EVを持っていて、家電を数日動かしたい → 外部給電器 HV・PHEVを持っている → 車のコンセント 冷蔵庫・照明・スマホだけ守れればいい → ポータブル電源 上から順に当てはまるものを選ぶ。組み合わせて備える方法もある 何を守りたいかで選ぶ 家全体の電気やエアコン(200V)も使いたい ↓ V2H EVを持っていて、家電を数日動かしたい ↓ 外部給電器 HV・PHEVを持っている ↓ 車のコンセント 冷蔵庫・照明・スマホだけ守れればいい ↓ ポータブル電源 上から順に当てはまるものを選ぶ
図:停電対策の選び方(何を守りたいか)
  • 家全体の電気、とくに200Vのエアコンも止めたくない:V2H(全負荷型)
  • EVを持っていて、冷蔵庫やテレビなど家電を数日動かしたい:外部給電器
  • HV・PHEVを持っている:まず車のコンセントを使う。追加の費用がかからない
  • 冷蔵庫・照明・スマホだけ守れればいい、車がない:ポータブル電源

組み合わせる手もあります。小さな家電はポータブル電源、長い停電にはPHEVのコンセント、といった使い分けです。車がなく、家の配線ごと守りたい場合は家庭用蓄電池も選択肢です。V2Hと蓄電池の違いで比べています。

V2Hのしくみやメリット・デメリットを最初から知りたい方は、V2Hとは?から読んでみてください。

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家全体を停電から守りたいなら、全負荷型か特定負荷型か、分電盤の工事が必要かで費用が変わります。自宅の分電盤と駐車場の位置を見てもらい、V2Hの見積もりを取っておくと判断しやすくなります。

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まとめ

  • 停電対策は、ポータブル電源・車のコンセント・外部給電器・V2Hの4つ。違いは電気が届く範囲
  • ポータブル電源は手軽だが、1〜2kWh級では家全体の数時間分
  • HV・PHEVのコンセントは合計1500Wまで。プリウスなら満タンで約5日分(トヨタ試算)
  • 外部給電器はEVの電気を家電に出せる。国の補助は2026年8月27日で終了、富士見市は3万円を補助
  • 4つのうち、家の配線ごと守れるのはV2Hだけ。停電時に自動で切り替わり、全負荷型なら200Vの家電も使える

停電のときに何を動かしたいかを先に決めると、必要な容量と費用が見えてきます。

V2Hで車種ごとに何日使えるかは、V2Hは停電時に何日使える?で確認できます。

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